AV女優を目指すなら、確定申告を知っておこう

2021.10.28

『AV女優を目指すなら、確定申告を知っておこう』

毎年3月になると、確定申告の話題が出てきます。
会社勤めの場合は、会社が申告しているので自分で行う必要がありません。
しかし、実はAV女優の場合、自分で行わなければならないのです。
AV女優の確定申告について、解説します。

 

 

確定申告とは?

 

確定申告は、1年間に得た収入とそれに関連する経費などを記録し、実質的にどれだけの金銭を得たのかを税務署に対して報告するものです。
そして、その金額に応じて税金が課されることになります。

 

会社員として働いている場合は、源泉徴収として収入にかかる税金は毎月、概算で引かれています。
そして、年末に正式な額を計算し、額が異なっていた場合は年末調整で帳尻を合わせる事となります。

 

そして、自営業などの場合は自分で申告しなくてはいけません。
収入や経費を常に記録しておき、確定申告の時はそれを提出するのです。
これを忘れたり、申告漏れがあったりした場合は脱税とされることもあるので、注意が必要です。

 

では、AV女優の場合はどうなるのでしょうか?
AV女優は、AVプロダクションに所属しています。
しかし、そのプロダクションの従業員という訳ではないのです。

 

ごく一部を除いて、AV女優は個人事業主という扱いです。
そのため、得た収入に関しては確定申告が必要となるのです。
会社員とAV女優の2足の草鞋を履いている場合でも、年間の出演料が38万円を超える場合は、別途確定申告が必要となります。

 

特に今は、マイナンバーがあるため収入を隠すことが難しくなっています。
そのため、確定申告をしないとすぐに税務署に知られてしまいます。
そうなった場合は、追徴課税として通常よりも多額の税金を取られることになるのです。

 

 

確定申告の方法は?

では、確定申告というのは具体的に、どのようにして行うのでしょうか?
確定申告の手順について、解説します。
まずは、1年間の収入と経費を記録するところから始めましょう。

 

その年の収入と経費の総額を計算します。
収入は、プロダクションから支払われたギャラの総額です。
経費は、交通費や打ち合わせの際に支払った飲食代、電話で打ち合わせをした際の通話料、その他AVの仕事に関わる費用です。

 

その他の費用というのが曖昧なもので、例えばAVの仕事をするにあたって体力づくりやスタイル維持のためにジムに通ったという場合、そのジムの会費が経費として認められるケースもありますが、認められないこともあるのです。

 

収入と経費、それぞれの総額を計算したら、収入から経費を差し引きます。
その金額が、所得
となるのです。
この所得からは、様々な控除が引かれます。

 

まず、基礎控除として38万円が差し引かれます。
そして、配偶者がいて一定以下の年収なら、配偶者控除も差し引かれます。
その他にも様々な控除があるので、一度確認してみましょう。

 

所得から控除を差し引いた金額が、課税所得となります。
これに税率をかけた金額が、所得税となるのです。
所得税は累進課税といって、課税所得の額が大きければ大きいほど税率も高くなります。

 

例えば、課税所得が180万円の場合、税率は5%です。
しかし、400万円の場合は税率が20%になり、42万7500円の税額控除があります。
1000万円なら、税率は33%で税額控除は153万6000円です。

 

それに加えて、復興特別税も課されます。
これは、課税所得の2.1%です。
それに応じた金額を、税金として納めなくてはならないのです。

 

 

申告しなかった場合、どうなる?

では、この確定申告を行わなかった場合はどうなるのでしょうか?
その場合は、追徴課税として本来の税率より高い割合で税金を納めなくてはならないのです。
申告せず、脱税をしていたAV女優の事例について解説します。

 

申告をしなかったAV女優の中でも有名なのが、「里見ゆりあ」さんです。
恵比寿マスカッツにも所属してテレビ出演もしていた、かなり人気だった女優でした。
努力の結果3億円を貯めたものの、7年間確定申告を行っていなかったために1億円を超える追徴課税を命じられたのです。

 

7年間の間、平均で年3500万円の収入があったとされているので、税率は40%です。
年間で1400万円、7年間で9800万円が税金として引かれることになります。
そこに、重加算税として40%増額となるため、およそ1億3700万円を税金として納めることになるのです。
頑張って貯めた貯金の半分がなくなり、かなりショックだったでしょう。

 

しかし、この女優は事務所からは源泉徴収税を10%引いているから申告の必要はないと言われ、領収書も事務所に渡していたそうです。
本人に知識がないのも問題ですが、周囲も申告の必要はないという人ばかりで環境も悪かったと言えるでしょう。
税務署の取り調べはかなり高圧的で、過呼吸を起こすほどだったと言われています。

 

申告が必要無いのは、年間の収入が38万円未満だった場合のみです。
それ以外では、確定申告が必要となります。
難しい場合は、青色申告会や税理士に依頼しましょう。

 

 

まとめ

AV女優という仕事をする上で、確定申告はほとんどの場合必要となるものです。
AVプロダクションは、一部の例外を除いてAV女優を雇用しているわけではないので、税金や保険、年金などの手続も自分で行わなくてはならないのです。
確定申告については、必ず知っておきましょう。
税理士等に依頼することもできますが、その場合も収入の記録や経費の領収書などは自分で保管しておかなければならないので、注意してください。