2021.07.21
AVに深い関係がある、人権倫理機構について聞いた事はあるでしょうか?
これは、AV女優を最終的に守ってくれる組織なので、AV女優になるのであれば覚えておくべきでしょう。
この組織は、具体的にどのようなことをするのでしょうか?
詳しい活動内容など、解説します。
人権倫理機構とは、正確にはAV人権倫理機構と言います。
AV業界の健全化、及び今後の発展を目的として2017年に設立された、非営利の任意団体です。
発端となったのが、NGOのヒューマンライツ・ナウが2016年に発表した、AV出演強要の調査報告書です。
これが発表されたことで、内閣府男女共同参画会議で2017年3月にそれに関して民間団体への聞き取り内容をまとめた報告書を公表しました。
この報告書を受けて、対策会議が設置されてスカウトの取り締まりも強化されました。
そんな中で、日本プロダクション協会と販売業者とメーカーによって設立された知的財産振興協会、AV業界が連合して設立した表現者ネットワークの3団体の協力の元、AV業界改革推進有識者委員会という第三者委員会が設立されました。
この委員会が、AV人権倫理機構の前身と言える組織です。
2017年10月に、この委員会の業務を引き継ぐ形でAV人権倫理機構が発足したのです。
ちなみに、表現者ネットワーク(AVAN)は2018年に解散していて、現在はAV人権倫理機構の外局となっています。
元々はAV出演を強要されている人がいるという点が問題となり、その関係で発足した人権倫理機構では、主に作品の販売停止を求める手続きを行います。
AV女優が自ら人権倫理機構へと申請して、作品の販売等の停止を求めるのです。
では、申請はかつて無理矢理AVに出演させられた人がするのでしょうか?
実は、そうとは限りません。
申請をする人のほとんどは、かつて普通にAV女優となり、そして引退していった人たちです。
自分が納得した上でAV女優になり、引退した人がなぜその停止の申請をするのでしょうか?
今では、販売やレンタル以外にも配信という形で見られることがあり、たとえ古い作品でもそれが視聴された場合はいくらかのマージンを貰える契約となっていることもあります。
思いつく理由としては、昔の作品から顔ばれをしないように、というのが多いでしょう。
確かに、そういった理由の人もいます。
しかし、メディアにも多数出演して、すでにAV女優という過去を消すのは無理という人も削除依頼を出しているのです。
そういった人は、なぜ削除依頼を出すのでしょうか?
その理由としては、AV女優としての自分にピリオドを打ちたい、という気持ちがあるようです。
例えば、1998年から2008年まで活躍していた有名な元AV女優の森下くるみさんは、2019年に作品販売等停止依頼を申請しています。
この申請は認められて、同年中には一般販売と配信が終了しています。
その申請を出した理由については、まず販売期間が長期にわたるため、という点が挙げられています。
デビューからその時までで20年以上が経過し、最も新しいものでも10年以上経過していたので、もういいだろうという気持ちが強かったようです。
また、既に40歳近くになっているのに、未だにファンの中ではロリータキャラ、永遠の素人、初心、マグロといった18歳当時のイメージで残り続けているのは気色悪いとも言っています。
そういった理由から停止依頼の申請に思い立った、と自身のブログで述べています。
同様に有名なAV女優では、蒼井そらさんや大塚咲さんなども同様に販売等の停止依頼を申請しています。
ただ、蒼井そらさんはスムーズに停止されたのですが、大塚咲さんの場合は申請書類の煩雑さにつまずき、さらにすべての作品が停止できないという点が申請を諦めようかと考えさせる原因となったそうです。
実際に停止を求める手順は、どのようになっているのでしょうか?
作品販売等の停止を求めるにはどうしたらいいのか、順番に解説していきます。
もし必要になった時のために、覚えておきましょう。
まずは、AV人権倫理機構のホームページにアクセスします。
その右上に、「作品販売等停止申請」とあるので、そこをクリックしてください。
そうすると、申請書のフォーマットをダウンロードできるページへと移ります。
申請書をダウンロードして開くと、年月日や女優名、本名、所属していたプロダクション名、作品名、メーカー名、参考URLなどを記載します。
その後、停止を希望する媒体やその理由などを選択します。
記入が終わったら、人権倫理機構へ郵送で提出してください。
これで、基本的な手続きは終了です。
後は、申請した内容に間違いがないかの確認や、より詳しい申請の理由、本人確認書類の提出をすれば、1カ月以内には回答が届きます。
これまで605件の申請がありましたが、そのうち454件は配信停止となっていて、対応・対処不能となったのが68件、見送りとなったのは45件となっています。
AV女優という仕事をする上で、いざという時に助けてくれるのが人権倫理機構です。
今は、インターネットのデータとして自分の作品がいつまでも残ってしまう時代です。
その中で、もし自分が望んだ時にその作品の販売等を停止してもらうには、人権倫理機構を頼ることになるでしょう。
こういった組織があることを知っていれば、AV女優になろうと思った時の不安も減るでしょう。