2021.05.03
どのような業界でも、働き始める前にはその業界特有の習慣を知っておかなくてはいけません。
特にAV業界は、他の業界よりも知らないことが多いので、あらかじめ調べておく必要があります。
AV業界で、覚えておくべき習慣としてはどのようなものがあるでしょうか?
その内容について、解説します。
まず覚えておきたいのが、AV女優の立場です。
AV女優はプロダクションに所属しているので、プロダクションに雇用されて給料をもらっている、と思っている人が多いのですが、実はこれが勘違いなのです。
ほとんどの場合、AV女優は個人事業主です。
プロダクションとの関係は雇用されているのではなく、委託契約を結んでいるだけなのです。
そのため、プロダクションからは仕事をあっせんされている、という方が正しいでしょう。
出演した際のギャラは、メーカーからいったんプロダクションへと支払われます。
それから女優に渡されるのですが、その際はプロダクションの手数料として既定の割合が引かれます。
つまり、AV女優はプロダクションと契約して営業活動などを委託する代わりに、プロダクションには委託手数料を支払っているのです。
そこで生じる大きな違いが、社会保険料や税金、健康保険料です。
個人事業主なので、税金や保険料などはすべて自分で手続をしなくてはいけません。
健康保険は国民健康保険に加入し、年金も自分で手続をして加入します。
税金も、毎年確定申告をして納めなくてはいけません。
また、人気女優であれば、自分で起業するケースもあります。
親族等を事務員やマネージャーとして雇用することで、節税することができます。
AVの出演以外にも多くの仕事をする場合などに、向いているでしょう。
AV業界の習慣として、AV女優がしてはいけないことがあります。
これに違反すると、仕事がスムーズに進まなくなったり、事務所とのトラブルが起こったりすることがあるのです。
禁止されていることは、あらかじめ覚えておいた方がいいでしょう。
まず、職場での恋愛は禁止されています。
男優やマネージャー、撮影スタッフなど、仕事上顔を合わせることのある男性とは恋愛関係になってはいけません。
これは、契約書に明記されていることもあります。
AV女優にとって、職場恋愛はNGなのです。
仕事がセックスの様子を撮影することなので、その現場に恋人がいると非常にやりづらいでしょう。
男優の場合は、現場=自分とのからみがほとんどなので、問題ないように思えるかもしれません。
しかし、時には複数人での撮影もあるので、必ずそうなるとは限りません。
また、もし別れてしまうようなことがあれば、その後の仕事がやりにくくなるでしょう。
もし、これを破って仕事の関係者と恋愛関係になると、AV女優という仕事を続けるのに抵抗が生じることも少なくありません。
その結果、仕事に支障が出てしまうとクレームにつながります。
場合によっては、損害賠償を請求される事態にもなりかねません。
そして、もう一つ禁止されていることがあります。
それは、ギャラについて公開することです。
メディアなどに限らず、プライベートで同業のAV女優に話すことも禁止されているのです。
AV女優のギャラは、基本的に現金で支払われます。
銀行で支払い記録が残らないため、確定申告を怠る人も少なくないのですが、事務所ではきちんと記録を付けていて、支払った証拠も残します。
そのため、申告をしないと後々ばれてしまい、より重い追徴課税を強いられることになるでしょう。
なぜ、口外することを禁止されているのかというと、プロダクションの手数料について知られることを防ぐためです。
手数料の差を知られてしまうと、女優の移籍の原因となってしまいかねないのです。
プロダクションによって、手数料の額は様々です。
同じメーカーで同じような仕事をしたのに、ギャラが異なるとその手数料の額の差を疑われてしまいます。
それがトラブルの原因となることもあるので、契約書でも口外を禁止しているところもあります。
AV業界では、様々な業界の専門用語もあります。
一般的に使われている言葉でも、AV業界では全く異なる意味のこともあるのです。
よく使われる用語だけでも、覚えておきましょう。
AV業界以外でもよく使われる専門用語として、「飛ぶ」というのがあります。
これは、連絡なしで失踪して、その後も連絡不通になることです。
契約内容次第では、多額の損害賠償につながることもあるでしょう。
「ゲリラ」というのは、AV業界ではゲリラ撮影という、警察に許可を取らずに屋外で撮影を敢行することをいいます。
ばれてしまうと、公然わいせつで逮捕されることもあるので、気を付けましょう。
一昔前はよくありましたが、最近ではほとんどありません。
「パブ」という言葉も覚えておきましょう。
「パブ」はパブリシティ、つまり広く知らしめるという意味で、パブ全開というとPR活動に制限がないことを示します。
顔出しNGなど、露出に制限を掛けたい場合は気を付けましょう。
他にも、様々な専門用語があります。
AV業界に入る前に、なるべく多くの言葉を覚えておきましょう。
また、わからない言葉が出てきたときは、知ったかぶりをせず素直に質問しましょう。
業界それぞれで独自の習慣はありますが、AV業界の習慣は特に独特なものも多いので、業界に入る前にある程度覚えておくようにしましょう。
また、契約書にそのことが明記されていることも多いので、契約書はしっかりと細かく読んでからサインすることをおすすめします。
わからないことはそのままにせず、素直に質問して教えてもらいましょう。